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軍学を体現した縄張り
赤穂城は甲州流軍学に基づき設計されている。この図はその基本的な考え方示したもので、石垣の形を工夫することによって、正面から攻めてくる敵に対してどうやって側面攻撃(横矢)を仕掛けるかをモデル化したものである。
「横矢」を極めた城
一般的に近世城郭は石垣の形状を工夫して「横矢」を掛ける構造になっているが、赤穂城はその最たるものである。図に示した黒い矢印は一般的な城郭にも認められるが、赤い矢印は赤穂城独自の石垣形状によってより重層的に横矢を掛けるようになっており、中には全国でここにしかない石垣も見られる。
三之丸塩屋門の石垣
鋭角や鈍角を組み合わせた独特の石垣で、塩屋門前の木橋を渡る相手に横から射かけるための施設。
狭間
土堀の裏側から鉄砲や弓矢で迎え撃つための穴。長方形は矢狭間、丸や三角形は鉄砲狭間。
本丸門東の横矢
門前の土橋を渡る相手に、横から射かけるための施設
三之丸横矢屏風折れ
長い石垣が続く場合、両側に射かけることができるよう突きださせた特別な石垣。
曲線石垣と水ひねり(二之丸南部)
曲線石垣と多角形の石垣により、門前に入る敵に対して防備を固める石垣。